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安全保障関連法案に強く反対する総会決議2015年(平成27年)5月25日

政府は、今月15日、安全保障関連法案を国会に提出した。国際的な平和協力活動で他国軍を後方支援するために新設する「国際平和支援法案」と、自衛隊法や武力攻撃事態法など既存の10の関連法を一括して改正する「平和安全法制整備法案」の2法案である。これらは、昨年7月1日に集団的自衛権の行使容認などの解釈改憲をした閣議決定に基づくものであり、この閣議決定と同様、憲法第9条の恒久平和主義、国民主権の基本原理、立憲主義の理念に著しく違反するものである。
 すなわち、当該関連法案は、日本が攻撃された場合(武力攻撃事態)だけでなく、我が国と密接な関係がある他国が攻撃を受けた場合であっても、我が国の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある事態(存立危機事態)には、その攻撃をした国に対して日本の自衛隊が武力行使できるとしている(集団的自衛権の行使)。また、我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態(重要影響事態)や国際社会の平和や安全を脅かす事態(国際平和共同対処事態)には、米軍等あるいは諸外国の軍隊に対し、日本の自衛隊が地理的限定なく、戦闘行為の現場以外の場所ならば後方支援活動等を随時行うことができるとしている。国際平和協力業務については、安全確保活動や駆け付け警護なども可能とし、任務遂行のための武器使用も容認されている。そして、実力組織である自衛隊も、これらの改正に備え、その任務、活動地域、活動内容を大幅に拡大している。
 しかし、これらの関連法案は、一体となって、謂わばいつでも、どこでも、どんな事態でも自衛隊が海外で武力行使できるようにするものであり、明らかに憲法第9条の恒久平和主義に反するし、戦争をしない平和国家としての日本の国のあり方を根本から変えるものである。それは事実上の改憲であり、それを法律の制定・改正により行おうとすることは国民主権、立憲主義にも反する。
 そもそも、「存立危機事態」「重要影響事態」などは無限定かつ曖昧であり、判断する者の主観や価値観に大きく左右されてしまう。まして、自衛隊の海外派遣の拡大政策をとる政府にあっては、決して「歯止め」にはならない。また、国会での承認についても、特定秘密保護法により、自衛隊や米軍等の状況などの判断材料は「特定秘密」とされ、実質的な審議はできなくなると言わざるを得ない。
 日本国民は、「正義と秩序を基調とする国際平和を希求し」、戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認を誓ったのである。今求められているのは、憲法の徹底した恒久平和主義の実現であり、あくまでも平和的方法による国際的な安全保障の実現でなければならない。
 以上より、岐阜県弁護士会は、今般の安全保障関連法案に強く反対するとともに、断固その廃案を求めるものである。

2015年(平成27年)5月25日
岐阜県弁護士会
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