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個人情報保護法案に対する会長声明
2002年(平成14年)6月7日

政府は、「個人情報の保護に関する法律案」(以下、個人情報保護法案)という)を国会に提出し、同法案は、現在審議が始まっている。
 しかしながら、この法案は、以下のとおり、個人情報の保護には不十分である上、規制対象が不明確であり、さらに、国民の知る権利及び報道の自由を侵害するおそれが強いものである。

1 法案では、規制の対象を、国、地方公共団体等の公的部門を除く個人情報取扱事業者としており、公的部門に対する規制を先送りしており、国民の個人情報の保護という観点からは不十分である。
2 規制対象となる個人情報取扱事業者について、法案では「個人情報データベース等を事業の用に供している者」と定義しているが、この定義自体が抽象的で不明確であり規制対象の範囲が不明確である。
 このような不明確な定義で、さらに厳格な構成要件の定めがないままで、両罰規定を伴う罰則規定が設けられており、罪刑法定主義に反する疑いがある。
3 国民の知る権利及び報道の自由との関係で、もっとも問題となる報道機関等についての規制について、法案では、放送機関、新聞社、通信社その他の報道機関が、報道の用に供する目的で使用する場合には、罰則規定を含む個人情報取扱事業者の義務等に関する規定(第5章)が適用されないとされているが、報道には、明記された機関以外にも多数の個人を含む関係者が携わっており、その他の報道機関として保護される対象が不明である。
 さらに仮に報道機関に該当した場合でも、専ら報道の目的以外の目的で個人情報を取り扱う場合はこの限りではないという、極めて解釈の余地の大きい除外規定があり、この場合の判断は、主務大臣に委ねられていることからすれば、適用除外の範囲の認定が恣意的に運用される虞がある。
 したがって、国民の知る権利及び報道の自由が侵害されるおそれがある。

 よって、岐阜県弁護士会は、個人情報保護法案が、個人情報の保護に不十分であること、また、国民の知る権利及び報道の自由を侵害するおそれが強く極めて問題であることから、同法案について根本的な見直しを行うことを求めるものである。

2002年(平成14年)6月7日
岐阜県弁護士会
会長 河合 良房
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