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貸金業制度、出資法の上限金利の見直しに関する緊急声明
2006年(平成18年)9月2日


1、出資の受け入れ、預り金及び金利等の取締まりに関する法律(以下「出資法」という。)の上限金利及び貸金業制度の見直しについて、政府与党は本年7月6日に「貸金業制度等の改革に関する基本的考え方」をまとめ、グレーゾーン金利の廃止と原則として出資法の上限金利を利息制限法の水準まで引き下げることとともに、低所得者世帯への緊急小口貸付や中小零細事業者に対するいわゆるセーフティーネットの拡充と強化の方向も打ち出し、少額短期貸付の特例の是非などについては今後の検討課題とした。
2、これを受けて8月末に金融庁から示された少額短期貸付の特例案は、
(1) 金利を年28%程度とする50万円1年程度の少額短期特例、および500万円3ヶ月程度の事業者特例を認める。
(2)  改正法施行に1年の準備期間をとる他、経過措置として3年間はグレーゾーン金利が残置され、その後更に5年の特例金利を設け、特例延長の余地もありうる。
というものであって、利息制限法による金利の一本化までに最長9年程度要し、その間グレーゾーンの高金利が維持されるばかりか、特例の高金利の恒久化すら懸念される内容となっている。
3、このような特例は、資金調達が困難な低所得者や零細業者への融資の途を閉ざさないためとされるが、低所得者向け貸付については、上記「貸金業制度等の改革に関する基本的考え方」に示されたようにセーフティーネットの拡充で解決すべきであるし、事業者については、高利に頼らなければならない事業者が元本を返済することは困難であり、脱法的借換等によって高利の貸付が実質的に長期化することが予想される。
また、金融庁の案においては利息制限法の元本の区分を現行の5倍にする方向と伝えられているが、法制定時に比較してはるかに低金利となっている市中金利水準との調整も行わず元本の区分の増額のみを行うことは、実質的な制限金利の引き上げであり、このような改正は本来の目的である金利の適正化の方向に逆行することになりかねない。
4、当会、および日本弁護士連合会は、繰り返し、深刻な多重債務者問題の解決のために出資法の上限金利を利息制限法まで引き下げることの重要性を訴えてきたものであり、今回の特例案は貸金業界の意向に沿って金利の適正化の方向を骨抜きにするものであり断じて容認できない。
5、当会は、政府、各政党、国会に対し、このような問題ある特例金利を設けることなく、出資法の上限金利を利息制限法の制限金利年15%?20%まで引き下げることを改めて求めるものである。

2006(平成18)年9月2日
岐阜県弁護士会
会長 武藤 壽
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