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割賦販売法の改正に関する会長声明
2007(平成19)年9月1日

クレジット取引は、高額商品を代金後払い・分割払いで購入することができるという利便性から、多くの消費者に利用され、現在、40兆円を超える規模に発展している。他方で、過剰与信や詐欺的商法に利用され、消費者被害を増大させているという実態もある。県内においても、業者の執拗な勧誘により次々に高額な呉服を購入してしまい、支払い能力を超えて多額のクレジット契約を締結した結果多重債務に陥る例や、業者が顧客に名義貸しを依頼し、業者の倒産に伴い多くの被害者が顕在化する例などクレジット契約と結びついた消費者被害が後を絶たない。
 当会は、このような消費者被害を防止するため、割賦販売法の改正により、以下の事項を実現することを求めるものである。



1 加盟店管理責任の明文化、既払金返還責任(共同責任)
  信販会社は、より多くの加盟店と提携し、加盟店を通じて消費者とクレジット契約を締結することで、手数料収入等の利益を拡大している。しかし、クレジット契約が詐欺的商法に利用された場合の信販会社の責任が明文上定められていないため、被害者救済が困難となっている。また信販会社の責任が明確化されていないことから、信販会社にとっても加盟店の管理についての動機付けがない。
  そこで、クレジット会社は、加盟店の取引につき、その契約締結過程、契約内容、販売商品等について必要な調査を行い、加盟店が違法・不当な取引を行わないように管理すべき義務があることを法律上明示したうえ、これに違反した場合は、加盟店と共同して民事上の責任を負うことを認めるべきである。
また、これに伴い、法30条の4で定められている抗弁権の対抗について、未払い金の支払い拒絶にとどまらず、既払い金の返還(共同責任)にまで効果を拡大するべきである。
2 過剰与信規制の具体化
  現行法は、38条において過剰与信について定めるものの、訓示規定にとどまり、過剰与信の防止について実効性のあるものとなっていない。しかし支払い能力を超えるクレジット契約の締結は、多重債務者を生み出したり、詐欺的商法を助長するものとなっており、規制の必要性は高い。
そこで、クレジット会社に対し、消費者の支払い能力の調査を義務付け、一定の具体的な基準を超過する与信を禁止するとともに、これに違反する取引については請求権制限等の民事的効果を与えるとともに、行政処分の対象とする必要がある。
3 割賦払い要件の撤廃
  現行法は、規制の対象とするクレジット取引について、「2ヶ月以上の期間にわたり、かつ3回以上に分割して支払う割賦払い」「あらかじめ定められた方法により算定した金額」の支払い(リボルビング払い)に限定している。しかし、全クレジット取引のうち、現行の割賦払い要件に該当しない取引は7割強を占める割合になっており、これらを保護の対象から外す合理的な根拠はないし、高齢者を狙った悪質商法において翌月1回払いのクレジット契約を締結させるなど、割賦販売法の間隙を狙ったと思われる事例も見受けられる。
そこで、割賦払い要件を撤廃し、1回払いや2回払いのクレジット契約も適用対象とすべきである。
4 政令指定商品制の撤廃
  現行法は、政令で指定商品等を特定して、規制対象を限定している。しかし、このような規制の方法が逆に悪質業者に抜け道を与えることになり、規制の対象とならない商品について被害が多発するたびに後追い的に政令指定商品に追加するという対処になっており、十分な被害防止を図れているとは言い難い。
また、消費者保護の見地からは取引対象品目によって規制を区別する理由はなく、原則として全ての商品を規制対象とし、例外的に規制に馴染まないものについては規制除外品目を限定して定めるべきである。
5 個品方式のクレジット事業者の規制
 訪問販売業者に利用されている個品方式(契約書型)のクレジットは、苦情相談件数が多くを占めているにも拘わらず、個品方式のクレジット事業については登録制度等がないため、不適正な取引を規制する実効性が確保できない。
 そこで、個品方式のクレジット事業者について、登録制を設け、契約書面交付義務及びクーリングオフ制度を規定すべきである。

2007(平成19)年9月1日
岐阜県弁護士会
会長 渡邊 一
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