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集団的自衛権の行使容認などの閣議決定に強く抗議し、速やかな撤回を求める会長声明2014年(平成26年)7月4日


1.安倍政権は、7月1日、閣議決定をもって、集団的自衛権の行使容認などの解釈改憲をした。
 その閣議決定では、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」場合には、武力行使(集団的自衛権行使)ができるとした。さらに、自衛隊の海外派遣についても、「現に戦闘を行っている現場」以外であれば活動できるとし、後方支援は戦闘地域でも可能とするなどとした。
 また、安倍政権は、前記のことをもって「歯止めができた」などと強弁しているが、「密接な関係」とか「根底から覆される」などの要件は曖昧であり、「歯止め」の意味をなさない。そもそも、「歯止め」が「歯止め」たり得ないことは、これまでの歴史が十分に示している。そればかりか、安倍政権が行おうとしている、自衛隊の海外派遣の拡大政策からしても、むしろ積極的に戦争をし、あるいは巻き込まれる可能性が高いと言わざるを得ない。
 集団的自衛権の行使容認の先は、結局、自衛隊と米軍との一体的軍事行動であり、その実態は米国の世界戦略に協力する、あるいは補完する「防衛」行動に駆り立てられるということである。そして、いったん米国の戦争に協力して日本が軍事行動を始めてしまえば、米国の意向に関わらず日本が独自の意思決定によりこれを中止することは極めて困難であり、結局は、際限の無い軍事協力を余儀なくされ、曖昧な「歯止め」すらも働かなくなるであろうと考えられる。
2.そもそも集団的自衛権の行使は、自衛権とはいうものの、武力攻撃を受けた他国を防衛するために軍事力を行使することを意味するものであり、戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認を掲げる憲法第9条に明らかに反するものである。自衛権行使の3要件を厳守し、集団的自衛権は認められないとして確立されてきたこれまでの政府解釈にも反するものである。
 まして、このような憲法の基本原理に関わる変更を、国民の意思を問うこともなく、閣議において行うことは、憲法の最高法規性(憲法第96条)、国務大臣等の憲法尊重擁護義務(憲法第99条)などに反し、権力に縛りをかけた立憲主義を根本から否定するものである。
3.当会は、昨年12月12日、及び本年6月17日に、集団的自衛権の行使容認に反対する会長声明を発し、そこで集団的自衛権の行使容認等の閣議決定の違憲性を詳細に述べた。また、日本弁護士連合会も全国すべての弁護士会も同趣旨の声明ないし決議を発表している。さらに、各種世論調査によれば、国民の5割以上が集団的自衛権の行使容認に反対し、7割近くが閣議決定で解釈改憲を行おうとすることを適切でないとしてきた。
 今求められているのは、憲法の徹底した恒久平和主義の実現であり、あくまでも平和的方法による国際的な安全保障の実現でなければならない。
4.以上のことより、岐阜県弁護士会は、安倍政権による集団的自衛権の行使容認などの閣議決定に強く抗議すると共に、速やかにその閣議決定を撤回するよう求めるものである。

2014年(平成26年)7月4日
岐阜県弁護士会
会長 仲松 正人
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