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法曹人口政策の早期見直し及び法曹養成制度の抜本的見直しを求める会長声明2015年(平成27年)2月19日

政府の法曹養成制度関係閣僚会議は、平成25年7月16日、司法試験の合格者数を年間3,000人程度としていた従前の目標を撤廃し、今後、あるべき法曹人口について検討することを決定した。そして、年間2,000人から2,500人程度で推移していた司法試験の合格者数は、平成26年度には約1,800人になった。
 しかし、裁判所の新受事件数はここ数年間、減少傾向を示している。そのため、現状でも年間1,800人程度の司法試験の合格者数を必要とするほどの法的需要が存在する状況にあるとはいいがたい。また、弁護士数が急増する一方で裁判官と検察官はほとんど増員していないことからも、弁護士業務の需給バランスは大きく崩れているといえる。
 このため、大多数の弁護士にとって事業を継続、維持することが困難な状況にあるほか、弁護士業務の需給バランスが大きく崩れていることに対する将来的な不安や経済的な不安などによって、公益的な活動や採算性の低い紛争への関与を行う余裕がなくなっている。
 また、弁護士業務の需給の不均衡を主たる理由として、司法修習生の就職難は年々深刻化しており、十分なOJTの確保も困難となっている。しかも、司法試験を受験するには、法科大学院を修了することが原則として必要になっているため、法曹になるには、法科大学院の学費や在籍時の生活費を負担しなければならず、加えて、司法修習生に支給される資金が貸与制になったため、弁護士になるまでに多額の借金を抱える者が多くなっている。
 こうした司法修習生の惨状などに起因して、法曹志願者の激減、さらには、大学の法学部志願者の減少という事態も生じるなど、有為な人材が法曹への道を断念せざるを得ない状況も生じている。
 このまま現行の制度を維持した場合、弁護士が公益的な活動等を行う機会が減少するとともに、法曹に有為な人材が集まらない事態が生じ得ることから、市民に対する法的サービスの質が悪化することが強く懸念される。
 よって、市民に対する質の高い法的サービスを維持する観点から、現実の社会情勢を適切に反映した法的需要とバランスのとれた法曹人口となるよう、年間司法試験合格者数を大幅に減少させて法曹の供給過多を解消するなど、法曹人口政策を早期に見直すとともに、法曹養成制度の抜本的見直しを行うことを強く要望する。

2015年(平成27年)2月19日
岐阜県弁護士会
会長 仲松 正人
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