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「テロ等準備罪」上程の閣議決定に反対する会長声明
2017年(平成29年) 3月13日


1 政府は、共謀罪と趣旨が同じ「テロ等準備罪」を創設する組織犯罪処罰法の改正案を国会へ上程する閣議決定を、今月の下旬にも行うとしている。
2 政府は、国連越境組織犯罪防止条約を批准するために「テロ等準備罪」を創設する必要があるという。しかし、当該条約は、金銭的利益その他の物質的利益を得るために犯罪行為を行うことを目的とするマフィアのような犯罪組織が行う犯罪行為の防止・措置についての国際協力を推進するものであり、そもそもテロ防止のためのものではない。我が国は既にハイジャック防止のためのハーグ条約やシージャック防止条約、プラスチック爆弾防止条約などのテロ防止のための13の条約を締結し、国内法も整備されている。また、重大犯罪については、予備罪や準備罪、共謀罪、陰謀罪などが既に処罰対象とされている。
 このように、政府が理由に挙げている条約はそもそもテロ防止のための条約ではなく、我が国は既にテロ防止のための条約を締結して国内法を整備し、テロ等の重大犯罪については共謀等を処罰対象としている。このように既にテロ対策は十分に整っていることから、「テロ防止のため」という政府の説明は、主権者たる国民に誤解を与えるものであり、適切ではない。
3 政府は、対象犯罪を当初の676から277に減らすという。しかしながら、対象となる犯罪の数が少なければよいという問題ではない。2016年(平成28年)12月5日付の当会会長声明でも述べたように、そもそも「テロ等準備罪」は適用要件が極めて曖昧であり、処罰範囲が無限に拡大する危険性がある。「テロ等準備罪」の処罰可能性が無限に広がってしまえば、憲法が保障する思想・信条の自由や表現の自由、集会・結社の自由などの人権が侵害され、これらの権利行使に対する強い萎縮効果が生じるというほかない。これは自由な政治的言論を基礎とする民主主義国家の基盤を揺るがしかねない。
4 以上のように、民主主義国家の基盤を揺るがしかねない「テロ等準備罪」の創設を国会へ上程する閣議決定をすることについて、当会は、改めて強く反対するものである。

2017年(平成29年)3月13日
岐阜県弁護士会
会長 畑   良 平
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