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岐阜県の最低賃金額の大幅な引上げを求める会長声明
2018年(平成30年)7月6日

1 現在、岐阜県の地域別最低賃金は1時間800円であり、全国加重平均である848円を50円ほど下回っている。

2 地域別最低賃金は、中央最低賃金審査会における最低賃金改定の答申を受けて行われる各都道府県の地方最低賃金審議会での審議の結果を踏まえて、各都道府県の労働局長において定められるものである。
我が国の最低賃金制度は、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もって、労働者の生活の安定等に資することを目的としている(最低賃金法1条)。
しかしながら、平成28年国民生活基礎調査でも、我が国の貧困率は15.6パーセントと高止まりしており、特にひとり親世帯の貧困率は50.1%と2世帯に1世帯が貧困状態に陥っている。働いているにもかかわらず貧困状態にある者の多くは、最低賃金付近での労働を余儀なくされており、最低賃金の低さが、貧困状態からの脱出を阻む大きな要因となっている。
実際、本県での地域別最低賃金800円で、フルタイム労働(一日8時間、月22日)をしても、総支給額で月額14万0800円、年で169万円弱にしかならない。
これはワーキングプアの指標とされる年収200万円を大きく下回っており、最低賃金付近での就労を強いられている労働者は、生活を維持するために、長時間労働や複数の就労の掛け持ちを余儀なくされていると解さざるを得ない。最低賃金の低さは、昨今社会問題化している長時間労働の誘因の一つということもできるのである。

3 さらに、ひとり親家庭については、本県においても、約半数の世帯が年収200万円以下となっている(岐阜県ひとり親家庭等自立促進計画参照)。ひとり親は育児のために時間、場所など働き方が限られるため、好条件での就労は困難となり、結果的に最低賃金付近での労働を余儀なくされることが多い。最低賃金の低さが、ひとり親家庭の困窮に拍車をかけているといえ、貧困の連鎖を生む要因となっているともいえる。貧困の連鎖を断ち切るという観点からも、最低賃金の大幅引き上げは不可欠である。

4 また、最低賃金の地域格差が依然として大きいことも問題である。岐阜県の現在の最低賃金額である800円は、愛知県の871円と比べると、その間に71円もの開きがあり、昨年度もその格差が縮小するどころか拡大した。隣県との格差の拡大は、労働者の流出を招き、ひいては地域の活力を失わせる要因ともなりかねない。
他方で、収入に占める消費支出の割合は、低所得者の方が高くなる傾向があるため、最低賃金の引き上げは、地域経済の活性化に繋がる。
本県における最低賃金を大幅に引き上げ、愛知県との格差を是正することは、地域経済の発展を促す結果をももたらすこととなる。

5 なお、本件においても、直近2年間で46円の最低賃金の引き上げがなされており、さらなる最低賃金の大幅な引上げは、特に中小企業の経営に大きな影響を与えることが予想される。最低賃金の引上げが困難な中小企業のために、最低賃金の引上げを可能とするための補助金制度等の構築も検討すべきである。

6 以上のことを踏まえて、当会は、岐阜県の地域別最低賃金の大幅な引上げを図り、地域経済の健全な発展を促すとともに、労働者の健康で文化的な生活の確保を求めるものである。

2018年(平成30年)7月6日
岐阜県弁護士会
会長 鈴木雅雄
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