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特定秘密の保護に関する法律の成立に抗議する会長声明

2013.12.09

本年12月6日深夜,参議院本会議において特定秘密の保護に関する法律案の採決が強行され,同法律(以下,「特定秘密保護法」という。)が成立した。
 当会は,同法案に対して,本年11月11日に「特定秘密の保護に関する法律案に反対する会長声明」を発表するとともに,街頭宣伝やパレードをするなどして,その成立に反対してきた。
 今回成立した特定秘密保護法は,特定秘密の範囲が広範かつ曖昧に過ぎるうえ,官僚が恣意的に特定秘密を指定する危険性を除去する実効的な方策は規定されていないため,上記会長声明で指摘したように,本来国民が共有すべき情報さえも隠ぺいされてしまう危険性を否定できず,国民主権に反し,民主主義の根幹を揺るがす事態を生じかねないものである。
 その他にも,特定秘密保護法には,①秘密の漏えいに関して,処罰範囲が過度に広範であり,かつ,刑罰が重いことから,取材・報道活動や国民の正当な言論活動にまで著しい萎縮効果をもたらすおそれが強く,取材・報道の自由や,国民の知る権利が侵害される危険性が強いこと,②特定秘密の取扱者に対する適正評価制度は,プライバシーや思想信条の自由を侵害するおそれが極めて高いこと,③60年,更にはそれ以上の秘密指定が可能であることから半永久的に秘密とされる危険性があり,主権者である国民による検証が事実上不可能となること,④本年6月に南アフリカの首都・ツワネで公表された「国家安全保障と情報への権利に関する国際原則」(ツワネ原則)に違反していること等,多くの問題点が指摘されている。
 国会で同法案の審議が開始されてからも,衆議院では政府側からの答弁に不一致や変遷がおきるなど審議が混乱し,修正案についても短時間の審議で採決が強行され,参議院においても,多くの参考人や公述人が述べた反対意見や問題点を指摘する意見について十分な審議がなされないまま,またもや採決が強行された。
 このように,特定秘密保護法は,その内容面及び採決に至る手続面のいずれにおいても,国民主権・民主主義の理念を踏みにじるものであり,到底容認できるものではない。
 よって,当会は,特定秘密保護法の成立に強く抗議するとともに,これからも,同法の改廃を含め,その問題点を解消するよう求めていくものである。

2013年(平成25年)12月9日
岐阜県弁護士会
会長 栗山 知
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