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マンション管理規約への暴力団排除条項の導入に関する提言(第78回民事介入暴力対策岐阜大会)

2013.07.12

暴力団排除条項が導入されたマンション管理規約を設定すべきです。

マンションに居住する区分所有者にとって、マンションは大切な家族と過ごす我が家であり、安らげる場所であるはずです。ところが、同じマンション内に暴力団が事務所を構え、または、暴力団の構成員が居住することにより、居住者の生活の安全が脅かされるという事例が報告されています。
 建物の区分所有等に関する法律は、建物の管理または使用について区分所有者間に生じる利害関係を調整するために管理規約(ルール)を設定することができると規定しています。そこで、岐阜大会では、管理規約に暴力団排除条項(暴力団やその構成員にとって不都合な規定です。)を導入することで、区分所有者が安心して居住できる環境を確保できないかについて検討しました。
 検討の結果、管理規約において、暴力団事務所などとしての使用が居住する全区分所有者の「共同の利益」に反することを宣言する規定を設けること、マンションに暴力団やその構成員が入り込まないよう新たな入居者に誓約書を提出させるなどの手続規定を設けること、また、暴力団排除の実効性を担保するために違約金の規定を設けることなどにより、入居中あるいは今後入居を検討している暴力団やその構成員に対して心理的な圧力を与えることが可能となり、暴力団の排除にとって有効であることが明らかになりました。
 このように、管理規約に暴力団排除条項を導入することは、区分所有者が安心して居住できる環境を確保するために有効な手段ではありますが、区分所有者、管理会社、あるいは、これからマンションを購入することを検討している購入者の方々にあまり存在を知られていないのが現状ではないかと思われます。
 ひとたび暴力団が事務所を構え、または、暴力団の構成員が居住してしまうと、それを退去させることは容易ではありません。このような団体や人物の入居を事前に防ぐことが最善の措置であるといえますから、是非皆さまに関心を持っていただきたく思いますし、我々弁護士も引き続き広報活動に努めてまいりたいと考えております。

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