司法修習生の給費制維持を求める声明
司法制度改革推進本部の法曹養成検討会は,本年6月15日,司法修習生に対する給費制に代えて,貸与制を平成18年度から導入する旨の意見の取りまとめを行い,今後かかる方向での法案作成がなされる見通しとなった。
そもそも給費制,すなわち国費による法曹養成制度が今日まで採用されてきたのは,それが単なる有資格者の養成ではなく,「法の支配」を具現化するという高度の公共性を有する人材の養成であって,その存在が国民の人権擁護や民主主義の確立という国家にとっての至上命題の実現のため必要不可欠であるからである。
今般の司法制度改革は,「法の精神,法の支配がこの国の血と…
弁護士報酬敗訴者負担制度に関する会長声明
政府は本年3月2日「民事訴訟費用等に関する法律の一部を改正する法律案」を国会に上程し、訴訟上の双方の訴訟代理人の合意による弁護士報酬敗訴者負担制度の導入を目指したが、衆議院法務委員会での実質審議に入らず、次回国会への継続審議扱いとなった。
司法制度改革審議会は、平成13年(2001年)6月、司法アクセスの促進をはかるべきとしつつ、他方で弁護士報酬の敗訴者負担制度を導入すべきであるとした。その後、司法制度改革推進本部の司法アクセス検討会において、この制度の導入の是非について審議がなされた。
これに対し、日本弁護士連合会及び当会は、弁護士報酬敗訴者負…
自衛隊のイラク即時撤退を求める会長声明
当会は,2004年(平成16年)1月10日,自衛隊のイラク派遣に反対する声明を発表し,その理由として,イラク特措法はイラクにおける自衛隊の武力行使を容認するもので,他国領土における武力行使を禁じた日本国憲法の前文及び第9条に違反するおそれが極めて大きいこと,イラクは戦争状態にあり,その全土が戦闘地域であって,イラク特措法2条にいう非戦闘地域は存在しないことをあげた。そして,このままイラクに自衛隊を派遣するならば,米軍の協力者として格好の攻撃目標となり,自衛隊員等ばかりでなく,イラク国内の日本人が広く攻撃の標的となるおそれがあることを指摘した。
その後…
自衛隊等のイラク派遣に反対する会長声明
国際世論と国際法を無視して敢行された米英によるイラク侵攻は、戦争状態の終結が宣言された後も、連日のように米兵等に対する攻撃や自爆テロが続き、その矛先は国連や赤十字に対しても向けられ、ついに日本の外交官2名が殺されるという、痛ましい犠牲が出るに至った。
しかるに政府は、昨年12月9日自衛隊派遣基本計画を閣議決定し、同月19日には航空自衛隊の先遣隊に派遣命令を出し、それに基づいて同月26日には航空自衛隊の先遣隊がイラクに出発し、本年1月9日には航空自衛隊の本隊と陸上自衛隊の先遣隊に派遣命令が出され、同月16日に陸上自衛隊の先遣隊がイラクに出発する予定となり…
裁判員制度に関する会長声明
裁判員制度は、国民の司法参加の理念のもとに民主的裁判の実現を目指して導入されるものである。
よって、当会は2004年(平成16年)度の通常国会に同制度にかかる法案が上程されるにあたり、以下のとおり要望する。
1 裁判官は1人または2人、裁判員の数は9ないし11人とするなどできるだけ多くして、国民が主体的・実質的に関与できる制度にすべきである。
2 慎重な評議・評決を行い冤罪を防ぐため、評決については、有罪判決を言い渡す場合には原則として全員一致とし、充分に評議を尽くしても全員一致に達しない場合には例外として3分の2以上の多数決制とすべ…
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