消費者庁の創設及び地方消費者行政の充実を求める会長声明
食の安全に対する信頼を大きく揺るがした毒物混入餃子事件,続発した一連の食品偽装表示事件,こんにゃくゼリーによる窒息死事件,多数の被害者を出した英会話教室の倒産事件,手口を替えては繰り返される悪質商法,全国で200万人近く存在すると推定される多重債務問題等,消費者の安全と安心を脅かす事件・事故は後を絶たない。
岐阜県においても,集団消費者被害事件が,クレジット・悪質商法関連事件を主として毎年のように発生している。また,消費者相談の数は県の窓口に寄せられた数だけでも年間1万件を超えており,潜在的な被害者数はこれを遥かに上廻るものと思われ,市民の身近に存在…
検察審査会の統廃合に反対する会長声明
最高裁判所は、本年1月、全国201ヶ所の検察審査会のうち、過去20年間の平均年間事件数が1件未満の50ヶ所を廃止し、14ヶ所を増設する再編案を発表し、法務省は、その再編案を内容とする「検察審査会の名称及び管轄区域等を定める政令の一部を改正する政令案」をパブリックコメントに付している。この案によると、現在、岐阜県内に岐阜検察審査会、大垣検察審査会、多治見検察審査会、高山検察審査会の4ヶ所の検察審査会があるところ、高山検察審査会が岐阜検察審査会に統合されて県内の検察審査会は3ヶ所に減少することになる。
この統廃合の理由は、検察審査会を事件数に応じて再配置…
自衛隊イラク派兵違憲判決に関する会長声明
1 本年3月7日,政府は少年法改正法案を閣議決定し,通常国会に提出した。
この改正法案は,犯罪被害者等の少年審判への傍聴を認めることや,記録の閲覧・謄写につき,その要件を現行法よりもさらに緩和することなどを内容としている。
犯罪被害者等の権利利益の一層の保護を図る目的自体は理解できるが,今回の改正内容は,少年法の理念に反するばかりでなく,被害者等が求める真実発見,真相究明にも悪影響を及ぼすものである。
2 少年法は,非行を犯した少年の健全育成を目的とし,少年を立ち直らせ再び非行に走ることがないことを目指している。このことは,新たな被害の発生をくい止…
「被害者等の少年審判傍聴」等を認める少年法「改正」法案に反対する会長声明
憲法記念日前日の5月2日,自衛隊がイラクで行っている空輸活動が憲法9条1項に違反していると判断した名古屋高裁判決が確定した。憲法9条に関する違憲判決が確定したことは初めてのことであり,歴史的意義を有する判決となった。
当会は,2004年(平成16年)1月及び同年6月の2度にわたって,自衛隊のイラク派兵に反対する声明を発表してきた。当会は,イラク派兵に反対する理由として,イラク特措法はイラクにおける自衛隊の武力行使を容認するもので,憲法前文及び第9条に違反するおそれが極めて大きいこと,イラクは戦争状態にあり,その全土が戦闘地域であって,イラク特措法2条…
死刑執行に関する会長声明
本年4月10日、東京拘置所で2名、大阪拘置所で2名の合計4名の死刑確定者に対して死刑が執行された。本年2月の3名に対する死刑執行後わずか2か月という短期間に執行されたものである。
国連は1989年12月に死刑廃止条約を採択し、また国連人権委員会(2006年国連人権理事会に改組)が1997年以降毎年「死刑廃止に関する決議」を行い、その決議の中で日本などの死刑存置国に対して「死刑に直面するものに対する権利保障を遵守するとともに、死刑の完全な廃止を考慮するよう求める」旨の呼びかけを行った。こうした状況の下で、死刑廃止国は着実に増加し、2007年12月現在、…
安易かつ拙速な生活保護基準の引き下げに反対する会長声明
わが国の取調べは完全な密室で行われており、そのため違法不当な取調が繰り返され、虚偽自白が作られ、これが冤罪を生んできた。昨年(平成19年)に限っても、刑期を終えた後に真犯人が判明して再審無罪となった氷見事件、公職選挙法違反で訴追された12人全員が無罪となった志布志事件、連続殺人で死刑求刑されながら無罪となった北方事件など、違法不当な取調べによって虚偽自白が作られた事件が頻発した。
違法な取調べが横行するのは、取調べが密室で行われるからである。よって、違法不当な取調べを一掃し、虚偽自白による冤罪を防ぐには、取調べの全過程を外部から監視できるようにすること…
取調べの全過程の可視化(録音・録画)を求める会長声明
厚生労働省内の有職者会議「生活扶助基準に関する検討会」(以下「検討会」という。)は、平成19年11月30日、生活保護基準の引き下げを容認する報告書を出し、これを受けて厚生労働省は同年12月20日生活保護基準の見直しについて、平成21年度予算編成で対応すると発表した。
しかし、生活保護基準は、憲法25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」の基準であって、国民の生存権保障に直結する極めて重要な基準である。
また、生活保護基準は、地方税の非課税基準、介護保険の保険料・利用料、障害者自立支援法による利用料の減額基準、公立高校の授業料免除基準、就学援…
非司法競売手続の導入に反対する会長声明
法務省は、裁判所が関与しない不動産競売手続(以下、「非司法競売手続」という)の導入を検討しており、関係団体への意見聴取も最終段階に来ている。
しかしながら、現状の競売手続は、申立から売却までに要する期間は約4分の3が6ヶ月以内と短縮され、売却率も改善してきており、全国では80%を超え、東京地裁の売却率は100%に極めて近い数字に達している。現在の競売手続は円滑に機能しており、あえて非司法競売手続を創設する立法事実は見あたらない。
また、現況調査報告書・評価書・物件明細書のいわゆる三点セットは、買受を検討する者には重要な情報を提供する書面であり、買…
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