令和６年度の会長を務めます武藤玲央奈です。

　皆さんは、困りごとがあった時、まずどなたに相談されるでしょうか。ご家族でしょうか。ご友人でしょうか。仕事仲間でしょうか。

　そんな時の相談相手に、是非弁護士を加えてみませんか。

　私が弁護士になって間もないころ、ある自治体の法律相談で、相談者の方から冒頭、「こんなこと弁護士さんに相談することではないかもしれないのですが・・・」という枕詞を聞いたことがありました。実際伺ってみると、ちゃんと弁護士に相談して解決するのにふさわしい内容でした。このように、まず相談してみなければ、誰に頼むべき話なのかも分からないということはよくある話です。私達弁護士は、様々な困りごとのご相談に乗ったり、解決のお手伝いをしたりしてきた経験から、皆さんのお話しされる困りごとにどのような解決策が合っているのかを的確に判断することができます。

　困りごとに直面すると、頭の中が整理できなくて、どうしていいか途方に暮れることもあります。そんな時に、百戦錬磨の弁護士に相談していただくことで、皆さんの置かれている状況を交通整理して、進むべき選択肢をはっきりさせることができます。

　弁護士に相談すると、事件の依頼までしないといけないと思われている方もいらっしゃいますが、そんなことはありません。相談した上で、弁護士に事件の依頼をするかどうかは自由に決めていただくことができます。依頼まではしなくても、継続的に相談を受けて、その都度解決策を検討していくというやり方もあります。

　弁護士費用の心配をされる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、弁護士会では多重債務や交通事故等について無料相談を用意しています。また、条件を満たせば、法テラスの民事法律扶助を利用して、弁護士費用の立替払を受けることも可能です。

　以上のとおり、弁護士会は皆さんの困りごとに対応できるたくさんの窓口を持っています。弁護士の使命は、基本的人権の擁護と社会正義の実現です（弁護士法１条１項）。皆さんの人権を守り、社会の安定を実現するため、弁護士会は皆さんが困った時にすぐに弁護士のことを思い出していただけるような取組を展開していく所存です。

　弁護士会が皆さんの信頼を得るためには、弁護士会に所属する弁護士それぞれが日頃から誠実に業務に当たることが必要です。弁護士会としても、会内の組織、活動等様々な側面から自らを見つめ直し、より皆さんに信頼していただける存在となるよう、更に努力して参ります。

　困りごとを抱えた皆さんを笑顔に変えるために、弁護士会は今年度も全力で皆さんへの法的サービスを充実させていくことをお約束致します。

岐阜県弁護士会
会長　武 藤 玲 央 奈