岐阜県弁護士会

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特定商取引法の改正を求める会長声明

2024.03.12

特定商取引に関する法律(以下、「特商法」という。)は、特定の取引形態における不適正な勧誘・取引を防ぎ、消費者の利益を保護するための法律である。
特商法は、過去繰り返し改正されてきた。この点、2016年(平成28年)の改正時には、勧誘を要請していない顧客に対し、訪問又は電話により、商品取引契約(取引の受託、代理等)を勧誘すること(いわゆる不招請勧誘)を禁止する規制等の導入が見送られたものの、附則第6条において、「政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律による改正後の特定商取引に関する法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認め…

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名張毒ぶどう酒事件第10次再審請求特別抗告棄却決定に対する会長声明

2024.03.12

 最高裁判所第3小法廷(長嶺安政裁判長)は、2024年(令和6年)1月29日付けで、いわゆる名張毒ぶどう酒事件の第10次再審請求の特別抗告審につき、再審請求を棄却した名古屋高等裁判所刑事第1部の原々決定(山口裕之裁判長)、異議申立を棄却した同裁判所刑事第2部の原決定(鹿野伸二裁判長)を是認し、亡奥西勝氏の妹岡美代子氏の特別抗告を棄却する旨決定した(以下「本決定」という)。ただし、原々決定、原決定を取り消して再審を開始すべきという宇賀克也裁判官の反対意見(以下「宇賀反対意見」という。)が付されている。
 
 名張毒ぶどう酒事件は、1961年(…

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「重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律案」の閣議決定及び国会提出に抗議し、その撤回を求める会長声明

2024.03.12

1 閣議決定及び国会への提出
政府は、2024年2月27日、「重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律案」を閣議決定し、国会に提出した。本法案の概要は、①重要経済基盤(重要なインフラや物資のサプライチェーン)に関する一定の情報であって、公になっていないもののうち、その漏えいが我が国の安全保障に支障を与えるおそれがあるため特に秘匿する必要があるものを「重要経済安保情報」として秘密指定する、②「重要経済安保情報」の取扱いの業務は政府による適正評価(セキュリティ・クリアランス)を実施し、重要経済安保情報を漏えいするおそれがないと認められた者に制限する、③漏…

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特定少年の実名公表・推知報道が本当に必要なのか引き続き深く検討することを求める会長声明

2024.03.01

2023年(令和5年)6月14日に岐阜市の陸上自衛隊射撃場で発生した自動小銃による殺傷事件(以下「本件」という。)に関し、本年2月28日、岐阜地方検察庁は、現在19歳(犯行時18歳)の特定少年を強盗殺人等の罪で岐阜地方裁判所に起訴し、実名を公表した。報道各社もまた、これに追随し、新聞、テレビニュース、ニュースサイト等各種メディアにおいて少年の氏名を報道(推知報道)した。
当会は本年2月22日発出の「自動小銃による殺傷事件に関し、特定少年の実名等の公表及び推知報道を控えることを求める会長声明」において、改正少年法が推知報道を一部解除したとはいえ、少年法が…

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自動小銃による殺傷事件に関し、特定少年の実名等の公表及び推知報道を控えることを求める会長声明

2024.02.22

1 少年法第61条は、少年の氏名、年齢、職業、住居、容ぼう等により当該事件の本人と推知できるような記事又は写真の出版物への掲載(以下「推知報道」という。)を禁止している。2022年(令和4年)4月1日に施行された「少年法等の一部を改正する法律」(令和3年法律第47号)により、18歳又は19歳の少年(以下「特定少年」という。)について公判請求(起訴)された場合に、推知報道の禁止が解除された(同法第68条本文)。
2023年(令和5年)6月14日に岐阜市の陸上自衛隊射撃場で発生した自動小銃による殺傷事件(以下「本件」という。)に関し、被疑者とされた当時18…

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令和6年能登半島地震 無料電話相談のご案内

2024.02.21

令和6年能登半島地震により被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
岐阜県弁護士会では、能登半島地震により被災された皆様のために、弁護士による無料電話相談を実施します。相談料は無料です。
◆受付電話番号
058-214-2130(専用)
◆受付期間
令和6年2月19日から令和6年12月27日まで(予定)
◆受付時間
平日10:00~16:00(12時から13時を除く)
◆実施方法
上記の無料電話相談専用番号に相談申込みの電話を掛けていただき、原則として24時間以内(法律事務所休業日を除く)に、担当弁護士から折り返し架電し、20分程度…

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性的少数者の差別や不利益の根絶を求める会長声明

2024.02.05

1 性的少数者が受けている差別や不利益は解消していない
2023年、性的少数者に関して最高裁判決等重要な司法判断が示された。そして、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律(以下「理解増進法」という)が成立した。岐阜県においては、9月から岐阜県パートナーシップ宣誓制度が始まっている。このように、これまで差別や不合理な不利益を受けてきた性的少数者に関し、その差別や不利益を解消すべく前進した年であったということができる。
その一方で、性的少数者に対する誹謗中傷、特にトランスジェンダーに対する憎悪表現が繰り返された…

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令和6年能登半島地震に関する会長声明

2024.02.05

2024年(令和6年)1月1日発生した令和6年能登半島地震から1か月が経過しました。日を追って明らかになる広範囲にわたる甚大な被害に大変心を痛めています。
当会は、この地震及びこれに関連して亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、今もなお、厳しい環境におかれている被災された皆様への救援、生活支援が早急になされ、水道・電気や道路などのインフラの復旧などが進められ、被災地が一日でも早く復興することを願ってやみません。  
 金沢、富山県、新潟県の各弁護士会は、災害が発生した翌日である1月2日…

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契約書の内容に注意!

2024.01.29

契約書の内容に注意!
 はっきりと意識されていないかもしれませんが、事業者の皆様は、様々な契約をしています。そんな中、「無料」という言葉に誘われて、契約書の内容を確認しないまま、契約書に署名押印してしまうということはありませんか。
<トラブルの例>
 無料の契約でトラブルになった事例を紹介します。
 営業時間中、突然知らない業者から電話がかかってきました。「3週間、弊社作成の求人サイトに無料で求人広告を出しませんか?」という営業電話でした。無料ならと思い、FAXで送られてきた申込書の記載を確認しないまま、署名押印をして申込みをしました。
 3週…

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【自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン】新型コロナウイルスや自然災害の影響で借金の返済が困難になった個人・個人事業主の方へ

2021.01.08

新型コロナウイルスや自然災害の影響で借金の返済が困難になった個人・個人事業主の方へ
「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」に基づく登録支援専門家の委嘱について
 2016年(平成28年)4月1日より、「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」(被災ローン減免制度)の 運用が開始されているところ、2020年12月1日からは新型コロナウイルスも適用の対象とされることとなりました。
 この制度には、①個別事情により、財産の一部をローンの支払いに充てずに手元に残すことができる、②債務整理をしたことが個人信用情報として登録されない…

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法制審議会刑事法(情報通信技術関係)部会の要綱(骨子)案に反対する会長声明

2024.01.17

 2023年(令和5年)12月18日、法制審議会刑事法(情報通信技術関係)部会(以下「法制審部会」という。)において、事務当局作成の要綱(骨子)案(以下「要綱(骨子)案」という。)を法制審部会の意見として法制審議会(総会)に報告することが決定された。
 情報通信技術は、国民の権利利益の保護・実現のために活用されるべきである。かかる技術を捜査のために用いる制度を創設するにしても、これによって憲法上保障された権利が制約されることのないよう、慎重な検討及び制度設計を要する。
 ところが、要綱(骨子)案には、捜査機関が、電磁的記録を利用する権限を有する者に対…

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反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有の方針を明らかにした安保3文書改定の閣議決定に対し、憲法9条及び立憲主義の見地から強く抗議し、撤回を求める会長声明

2023.12.11

1 反撃能力(敵基地攻撃能力)の実態
政府は、2022年12月16日、「国家安全保障戦略」、「国家防衛戦略」及び「防衛力整備計画」のいわゆる安保3文書の改定を閣議決定し、「相手からミサイルによる攻撃がなされた場合、ミサイル防衛網により、飛来するミサイルを防ぎつつ、相手からの更なる武力攻撃を防ぐために、我が国から有効な反撃を相手に加える能力、すなわち反撃能力を保有する必要がある。」とした。反撃能力とは、敵の領域に達して攻撃を行える能力であり、政府が従前「敵基地攻撃能力」と呼んでいたものである。
反撃能力は、敵の基地を攻撃するだけに留まるものではない。「…

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岐阜商工会議所(岐阜県事業承継・引継ぎ支援センター)と「事業承継支援に関する覚書」を締結しました

2023.09.14
岐阜商工会議所(岐阜県事業承継・引継ぎ支援センター)と「事業承継支援に関する覚書」を締結しました

 令和5年9月7日、岐阜商工会議所(岐阜県事業承継・引継ぎ支援センター)との間で、「事業承継支援に関する覚書」を締結しました。
 現在、後継者不在のために廃業の危機にある中小零細企業・個人事業者が増加しており、社会的な問題になっています。それに伴い、事業譲渡、M&Aの件数も急増しています。安心・安全な経営資源の引継ぎを支援するため、弁護士が適切に関与する必要性が高まっています。
 岐阜県弁護士会は、岐阜県事業承継・引継ぎ支援センターと連携して、安心・安全な経営資源の引継ぎを支援します。…

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「大崎事件」再審請求即時抗告棄却決定に抗議する会長声明

2023.08.28

 
1 福岡高等裁判所宮崎支部(矢数昌雄裁判長)は、2023年(令和5年)6月5日、いわゆる大崎事件第4次再審請求事件につき、請求人の即時抗告を棄却し、鹿児島地方裁判所の再審請求棄却決定を維持する決定をした(以下「本決定」という。)。
2 大崎事件は、1979年(昭和54年)、鹿児島県大崎町において牛小屋から遺体が発見されたことに端を発し、原口アヤ子氏(以下「アヤ子氏」)、その当時の夫及び義弟が殺人・死体遺棄の、義弟の子が死体遺棄の罪に問われた事件である。アヤ子氏は一貫して無罪を主張したが、懲役10年の有罪判決を受け服役した。有罪の有力な証…

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「袴田事件」の速やかな再審公判開始及び袴田巖氏の雪冤を求める会長声明

2023.07.11

 本年3月13日、東京高等裁判所(大善文男裁判長)は、いわゆる「袴田事件」の第二次再審請求事件について、静岡地方裁判所の再審開始決定を支持して、検察官の即時抗告を棄却する決定をし、検察官が特別抗告を断念したことにより再審開始決定が確定した。
「袴田事件」は、1966年(昭和41年)6月30日未明、旧清水市(現静岡市清水区)の味噌製造会社専務宅で一家4名が殺害された強盗殺人・放火事件であり、1980年(昭和55年)12月12日、死刑判決が確定した。袴田氏は、1981年(昭和56年)4月に、第一次再審請求を申し立てたが、2008年(平成20年)3月に最高裁…

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特定少年の実名等の公表及び推知報道を控えることを求める会長声明

2023.07.10

1 「少年法等の一部を改正する法律」(令和3年法律第47号、以下「改正少年法」という。)により、18歳又は19歳の少年(以下、「特定少年」という。)について、特定少年のとき犯した罪により公判請求(起訴)された場合において、氏名、年齢、職業、住居、容ぼう等によりその者が事件の本人であることを推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならないとする推知報道の禁止が解除された(同法68条本文、同61条)。
2 令和5年7月3日と同月4日、岐阜県内で少年4名(うち、特定少年2名)を含む5名が起こしたとされる事件の特定少年2名につい…

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低賃金労働者の生活を支え地域経済を活性化させるために岐阜県の最低賃金額の大幅引上げと地域間格差是正を求める会長声明

2023.07.10

1 長期に及ぶ新型コロナウイルスの影響とロシアのウクライナ侵攻の中で、食料品や光熱費など生活関連品の価格が急上昇している。
2022年度の全国消費者物価指数は、天候による変動が大きい生鮮食料品を除いた指数が前年度比3.0%と41年ぶりの記録的な大幅上昇となった。大手食品会社などが今後のさらなる値上げを発表しているなど、急激な物価高騰の傾向は今年も続く見込みである。
労働者の生活を守り、経済を活性化させるためには、企業や事業主への支援と並行して、全ての労働者の実質賃金の上昇を実現することが必須である。そして、賃金の底上げのためには、最低賃金額を大きく引…

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会長挨拶 令和5年度 岐阜県弁護士会 会長 神谷慎一

2023.06.23
会長挨拶 令和5年度 岐阜県弁護士会 会長 神谷慎一

 私たちは、誰であっても、すべての人が、個人として尊重され、自由と幸福を求める権利があります(憲法11条、13条)。「私」が尊重され、自由と幸福を求めて生きることができる。そして、同じように、「あなた」も尊重され、自由と幸福を求めて生きることができる。そのような、多様な生き方を求めるひとりひとりが、お互いの生き方や考え方を尊重しながら、共に協力して生きていくことができる社会を、みんなで築き支えていくことが期待されています。
 基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とする弁護士、そして弁護士で構成される岐阜県弁護士会も、そのような「ひとりひとりが大切にさ…

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少年事件の実名等の報道に強く抗議し、少年法第61条の遵守を求める会長声明

2023.06.23

 株式会社新潮社は、「週刊新潮」2023年6月29日号において、本年6月14日に岐阜市の陸上自衛隊射撃場で発生した自動小銃による殺傷事件に関し、被疑者とされた18歳の少年の実名及び顔写真を掲載した。
 少年法第61条は、少年の氏名、年齢、容ぼう等により当該事件の本人と推知できるような記事又は写真の出版物への掲載(以下「推知報道」という。)を禁止している。2022年4月1日に施行された少年法等の一部を改正する法律(以下「改正少年法」という。)により、18歳及び19歳のときに罪を犯した場合において推知報道禁止が一部解除されるに至ったが、あくまでも家庭裁判所…

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供述記録媒体の証拠化に関する会長声明

2023.06.19

1 閣議決定された供述記録媒体を証拠化する法律案
2023(令和5)年3月14日に刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案(以下「法律案」という。)が閣議決定された。そのうち「被害者等の聴取結果を記録した録音・録画記録媒体に係る証拠能力の特則の新設」では、一定の聴取対象者の取調べの全過程を録音・録画した記録媒体について、一定の条件のもと、その記録媒体を主尋問に代え、その記録媒体を公判廷で取り調べた後、訴訟関係人に対し、その聴取対象者を証人として尋問する機会を与え、証拠能力を付与する案が示された。聴取対象者としては、「犯罪の性質、供述者の年齢、心身の状態…

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