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岐阜県の裏金を含む不正経理について徹底した調査究明などを求める会長声明

2006.08.08

平成18年7月5日、岐阜県が裏金を保有していることが発覚した。その後の調査により、平成6年度までは全庁的に裏金をつくり、同年度における裏金は約4億3000万円であったこと、これを組織的に隠蔽していたことなどが明らかになった。岐阜県は、これまで裏金は無いなどと岐阜県議会において説明していた。岐阜県民の岐阜県政に対する信頼を大きく裏切るものである。
 今岐阜県で問題になっているのは、裏金、つまり旅費などの架空請求によりプールした金銭についてである。平成18年8月3日公表された岐阜県副知事らによる資金調査チームの報告も、プール資金の額・残高などに限られていた。
 しかし、裏金があったということは、他にずさんな事務処理により不適切に支出した金銭があったであろうという疑念を抱かせる。他県の例をみると、裏金の他に、不適切に支出した多額の金銭が問題になっており、北海道庁においては21億円余、秋田県庁においては43億円余について職員による返還が行われた。
 岐阜県において裏金をつくったこと自体の責任が問われるべきである。さらに、岐阜県がこの裏金の存在を早期に明らかにしていた場合には、裏金のみならず、不適切な支出の有無についても徹底した調査などが行われた可能性が高いと思われ、その意味で、裏金を隠し続けた岐阜県の責任は重いといわざるを得ない。 このままでは、不適切な支出などが他にもあるだろうという疑念を払拭できなく、岐阜県政に対する県民の信頼の回復は困難であると考えられる。
 そこで、当会は、岐阜県に対し、県政に対する県民の信頼を回復するため、次のとおり、裏金を含む不正経理について徹底的に調査究明することなどを求める。
1 裏金について、経緯、関係者、私的流用を含めた使途などの真相を究明すること
2 岐阜県の経理について、可能な限り過去に遡り、裏金、不適切な支出などの不正経理について調査すること
3 不正経理にかかわった関係者の責任を明確にし厳正に処分すること
4 不正経理により岐阜県が被った損害を明らかにし、損害回復のための措置を講じること
5 再発防止のための具体策を設けること

2006(平成18)年8月8日
岐阜県弁護士会
会長 武藤 壽
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